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サリバン公爵の秘密 Ⅴ

Auteur: エチカ
last update Date de publication: 2026-04-21 07:45:36

「昨日はローブを被っていたから油断した。俺の危機管理が甘かったせいだ」

「ローブ……?」

「あのローブは特注品でな。国軍配給のものと酷似しているが、俺のはフェロモンを遮断する様な素材が使われているんだ。他の兵士には秘密だがな」

「秘密?」

「あのローブにそんな機能があると知れれば、ローブを剥ぎ取られたり、奪われたりする恐れもあるだろう? 知っているのは極僅かな側近だけだ」

 ん……? それ、聞いても良かったのだろうか。

 オルタナはそう首を傾げたが、聞いた後で聞かなかった事になど出来ない。

「だから……いつもあのローブを?」

「どこにΩがいるか、分からないからな。健国王の血なんて言われていても、自由に往来を歩く事すらままならない不自由な体だ。ロクなもんじゃない」

 確かにそれは大変だろう。

 稀少とは言え平民にもΩが居ない訳ではないし、修道院や孤児院にだって遭遇しない確証はない。

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   金鈴の鴉

    「到着したか、オブライアン」「……到着早々、クローゼットの中に主を見付けたのは初めてでございます」「俺もクローゼットの中で愛を囁いたのは初めてだ」「ちょっ……」「いい加減に出て来て頂かないと、屋敷の者達が困り果てております」「すまん。我が番殿がここが良いと甘えるもんでな」「んなっ……⁉」「オルタナ様」「はいっ、ごめんなさいっ!」「爺に謝る必要はございません。ですが、湯浴みしてお食事を摂って頂かねば心配で倒れるやもしれません」「い、今出ます……」 長い事狭い所で膝を折って座っていたから、若干痺れて上手く立ち上がれずに這うようにして出る。 ずりずりと這い出ている所を、公爵に腰を掴まれひょいっと抱き上げられ、立たされた。「あ、ありがとヴィー様。あの、オブライアンさんは何で本邸に……?」「旦那様の招集に応じて、今し方到着致しました」「オーリィ、オブライアンには大聖堂への潜入班に入って貰う」「潜入班……」「伯母上と義姉上とお前が正面から入る代わりに、オブライアンとアラベル、そしてスーランも潜入させる」「スーランも?」「まだ至らぬ所はございますが、ある程度は使えるかと」 オブライアンはそう言ってにこやかに笑って見せた。 いつもの笑顔が、少し怖く見える。 公爵はスーランをオブライアンに任せて躾け直すと言っていたけれど、それがどういうことなのかオルタナはまだ分かっていない。「スーラン、元気ですか?」「元気でございます。元気すぎて困っております」「ははっ、そっか。なら、良かった」「しかし、オルタナ様の専属護衛になるには、まだまだでございます」「え?」「オブライアン、種明かしが早過ぎるぞ。せっかくサプライズにしようと思っていたのに」「おや、それは失礼致しました。

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    「ホントに旦那様は、ちょっと執着が過ぎると言うか……あ、いや失礼。頭が回る分、徹底的にやってしまわれる」「あ、はは……(やりそう……)」「でも、元々は物静かで穏やかな方です。そんな旦那様があんなに声を荒げて私を呼ばれたのは、後にも先にも母上がお倒れになった時だけです」「そう……ですか」「それだけ、オルタナ様を大事に想っていらっしゃるのですよ。人は心配すると怒るものなんです」「だ、いじかどうかは&he

  • 魔女ドーラの孫(仮)   サリバン公爵の秘密 Ⅲ

    「ご自身を犠牲にしようと仰るのでしょう? そんな事をしても旦那様は喜ばれませんよ」「でも過発情は後遺症が残る場合があって、僕なら発情しないから妊娠したりもしないんです! 公爵家に責任を取って欲しいなんて絶対に言わな……」「オルタナ様、そう言う事ではないのです」「……やっぱり、平民の僕じゃダメなんですね」「違います。オルタナ様、聞いて下さい。公爵様は若い頃、強いフェロモン体質のせいで、度々他者を発情させる事がありました」 そう話し出

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